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2018.01.12
広辞苑改訂と2018年問題
10年ぶりに改訂された広辞苑が、今日から販売されているようです。
新しく追加された言葉を見てみると、日常会話の中でよく使うようになった言葉や、ニュースで耳にする言葉、はたまた勉強不足で耳馴染みのない言葉まで・・・
新しく追加された中に「雇い止め」という言葉を見つけ、今年はこの単語を多く耳にすることになるかもな・・・と思ったりしています。
無期転換ルールと雇止め
2013年4月施行の改正労働契約法で、同じ職場で通算5年を超えて働く有期雇用者は、雇用主に無期転換を申し込めるようになります。
こちらの改正については以前もブログで取り上げましたが、 (詳しくはこちら>>https://tam-jp.com/blog/2017/11/686/)
2018年4月以降の無期転換の申し込みを危惧し、企業による雇止めが起きることが予想されます。
いわゆる『2018年問題』です。
国立大学法人の対応
今日のニュースでは、東北大の雇止めが取り上げられていました。
東北大が3000人規模の非正規職員を順次雇止めにするという件で、職員側が大学側を告発するというものです。
同じ国立大学法人である東京大学では逆に、5年雇止めの規定を削除する方針が示されています。
どちらも組合が組織されているため、大きな波ができたというところでしょうか。
大手自動車メーカーの対応
また、昨年末には厚生労働省が「いわゆる『期間従業員』の無期転換に関する調査」結果を発表しています。
この調査は、大手自動車メーカー10社に対する無期転換の実情についての聞き取り調査です。
結果は・・・
・更新上限を設けている→10社/10社
・再雇用まで6ヶ月以上の無契約期間が必要(つまり空白期間により前と後の契約期間が通算されず、無期転換できない)→7社/10社
クーリングと呼ばれる仕組みを使って、無期転換を避けていることがうかがえます。
労働問題においては、雇う側の負担と雇われる側の利益とのバランスをとることが非常に難しいと感じます。
人材不足と言われる今、両者のバランスをなんとかとることが課題となりそうです。
・厚生労働省 有期契約労働者の無期転換ポータルサイト
http://muki.mhlw.go.jp/
・厚生労働省報道発表 「いわゆる『期間従業員』の無期転換に関する調査」の結果
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000189946.html