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労務関係

2020.03.05

コロナウイルスと休業手当

1月16日に国内初の新型コロナウイルス感染者が見つかり、

現在では国内で確認された感染者数は1000人を超えました。

「職場に感染者が出て事業所が休業になった」

「感染しているかもしれない症状があり、職場からしばらく休むように言われた」

そんな話を知人からちらほらと聞くようになりました。

そんな時、休業手当はどうなるのでしょう。

 

どんな時に休業手当を支払わないといけないの?

どんなことが起きた時に休業手当を払わないといけないのか、労働基準法に定めがあります。

労働基準法第26条では、

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならない

とされています。

「使用者の責に帰すべき事由???例えばコロナウイルスならどんなものが当てはまるの???」

という感じですよね・・・

 

新型コロナウイルスに関していくつか例を挙げてご説明すると・・・

個別に様々な事情があると思いますので一概に言えるものではありませんが、

ざっくりと説明してしまうとこのような例があります。

 

<例1>新型コロナウイルスに感染しており、都道府県知事が行う就業制限により労働者が休業する

    ⇒休業手当 不要

一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。

なお、被用者保険に加入されている方であれば、要件を満たせば、各保険者から傷病手当金が支給されます。

 

<例2>感染が疑われる労働者を休業させる

    ⇒休業手当 要

職務の継続が可能である方について、使用者の自主的判断で休業させる場合には、

一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。

 

<例3>発熱などがある労働者の自主休業

    ⇒休業手当 不要

通常の病欠と同様の取り扱いとなります。

 

<例4>発熱などの症状があることのみをもって一律に労働者に休んでもらう措置をとる

    ⇒休業手当 要

使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、

休業手当を支払う必要があります。

 

<例5>新型コロナウイルス感染症によって、事業の休止などを余儀なくされ、やむを得ず休業とする

    ⇒休業手当 ・・・?

こうなってくるととても微妙で、個別の事情を勘案しなければなりません。

例えば、海外の取引先が新型コロナウイルス感染症を受け事業を休止したことに伴う事業の休止である場合には、

当該取引先への依存の程度、他の代替手段の可能性、事業休止からの期間、使用者としての休業回避のための具体的努力

などなど・・・

休業の回避について通常使用者として行うべき最善の努力を尽くしているかどうかを総合的に勘案し、判断する必要があります。

 

現在各地の労働局で特別の相談窓口を開設しているようですので、判断に迷うような場合には問い合わせてみるのが安心です。

 

新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金の特例措置の拡大

厚生労働省は

『新型コロナウイルス感染症により影響を受ける事業主を支援するため、雇用調整助成金の特例措置の拡大を今後行う予定』

と発表しています。

 

事業が休止しているような売り上げがない時期に会社が休業手当を支払う負担はかなり大きく、

労働者の生活の安定のための休業手当が、事業自体を危機にさらしてしまうようでは結果的に労働者のためになりません。

そうならないための特例措置・特例措置の拡大といえます。

 

そもそも雇用調整助成金とは・・・

経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、

雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成する制度

(大企業:1/2 中小企業:2/3)

 

つまり、

不景気なんかで事業を縮小しないといけなくなった時に労働者を退職させるのではなく、

一時的な休業等を行い、雇用を継続させます。

その際、事業主は休んでもらった労働者に休業手当を支払わないといけませんが、

その費用を助成します。

というようなもので、失業の防止や雇用の安定を目的とした助成金です。

 

雇用調整助成金の特例措置(2/14~)

すでにこの助成金の特例措置第1弾として

中国人観光客向け観光関連産業等に関して要件の緩和が発表されていました。

 

特例措置の拡大

その特例措置がさらに拡大される下記の案が出ているようです。

(厚生労働省が発表している資料は こちら

資料を見ていただくとわかりやすいかと思うのですが、

対象が中国人観光客向け観光関連産業等だけでなく、影響を受ける全業種となり、

緊急事態宣言を発出して活動の自粛を要請している地域に関しては、

生産指標が低下したものとみなし、また正規・非正規を問わず対象とした上で助成率を引上げています。

他にも諸々変更点がありますが、ざっくり言うと 対象がかなり広がり、助成も厚くなった という感じです。

 

事業主の方は自分だけでなく労働者の方の健康も心配されていることかと思います。

かといって一切外に出ないわけにもいかないですし、誰とも会わないわけにはいきませんよね。

完全に予防することはできませんから

「もしこうなったらこんな助成金がある」ということを覚えておいていただければと思います。

 

・京都労働局 新型新型コロナ感染症の影響による「特別労働相談窓口」を開設します 

https://jsite.mhlw.go.jp/kyoto-roudoukyoku/content/contents/000613296.pdf

・厚生労働省 新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金の特例措置の拡大について

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09941.html

・厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q3-2

2019.09.05

最低賃金が改定されます

10月より最低賃金が改定されます。

 

京都は 882円 ⇒ 909円 (2019/10/1発効)

滋賀は 839円 ⇒ 866円 (2019/10/3発効)

大阪は 936円 ⇒ 964円 (2019/10/1発効)

 

※全国の一覧につきましては

 厚労省のHP https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/ をご覧ください。

2019.04.18

年次有給休暇の時季指定義務 と 就業規則

労働基準法が改正され、2019年4月1日より

『使用者は、法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の全ての労働者に対し、毎年5日、年次有給休暇を確実に取得させなければならない』

こととなりました。

そこで今回は 有給休暇の時期指定義務 と 就業規則 について書かせていただきたいと思います。

 

年次有給休暇とは・・・

ご存知の通り、賃金の支払われる休暇です。

以下の要件①②を満たしたすべての労働者に、年次有給休暇は付与されます。

①半年間継続して雇われている

②全労働日の8割以上を出勤している

 

ですから、正社員でも、パートでも、アルバイトでも、有期雇用でも、管理監督者でも、

上記2点を満たせば有給休暇は労働者の権利として取得することができます。

 

しかし、気を遣ってしまって「休みます」と言えない・・・という方も少なからずいらっしゃると思います。

有給休暇の取得率はこれまで低調でした。

そこで、労働基準法が改正され、労働者に年5日以上の年次有給休暇を取得させることが義務付けられました。

 

法改正のポイント!

ポイント1   対象者は、法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の全ての労働者(管理監督者を含む)

ポイント2   労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に、

         「労働者自らの請求・取得」

         「計画年休」

         「使用者による時季指定」

         のいずれかの方法で、年5日以上の年次有給休暇を取得させる必要がある

前提として、誰がどれだけ有給休暇を取得したかきちんと把握しておかなければいけませんね。

 

「使用者による時季指定」のポイント!

ポイント1   法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の全ての労働者に対して、年5日までは、使用者が労働者の意見を聴取した上で、時季を指定して取得させる必要がある

※ただし、労働者が自ら請求・取得した年次有給休暇の日数や、労使協定で計画的に取得日を定めて与えた年次有給休暇の日数(計画年休)については、

  その日数分を時季指定義務が課される年5日から控除する必要があります。

ポイント2   使用者は、時季指定に当たっては、労働者の意見を聴取し、その意見を尊重するよう努めなければならない

 

就業規則は変更しないといけないの?

ここまで読んでいただいて、「はいはい、指定して年に5日有給取ってもらったらいいのね」とご理解いただいたかと思います。

ただ、この時季指定を運用していただく際には、就業規則に記載していただく必要があるんです。

記載していただくのは下記2点です。

①時季指定の対象となる労働者の範囲

②時季指定の方法

就業規則のモデルが厚生労働省のHPに掲載されていますので、下記をご参考にしてみてください。

モデル就業規則 目次 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html

モデル就業規則 有給休暇 https://www.mhlw.go.jp/content/000496455.pdf

2018.03.29

協会けんぽ 健康保険料率の改定

 平成30年3月分(4月納付分)より、健康保険料率が改定されます。

 

協会けんぽ 京都府

健康保険料率 10.02%
介護保険料率 1.57% (40歳から64歳までの方)

協会けんぽ 大阪府

健康保険料率 10.17%
介護保険料率 1.57% (40歳から64歳までの方)

 

その他の都道府県等はこちら
料額表はこちら

 

給与計算時、お気をを付けください。

なお、雇用保険料率については平成30年度は変更ありません。

2018.01.12

広辞苑改訂と2018年問題

10年ぶりに改訂された広辞苑が、今日から販売されているようです。
新しく追加された言葉を見てみると、日常会話の中でよく使うようになった言葉や、ニュースで耳にする言葉、はたまた勉強不足で耳馴染みのない言葉まで・・・

新しく追加された中に「雇い止め」という言葉を見つけ、今年はこの単語を多く耳にすることになるかもな・・・と思ったりしています。

 

無期転換ルールと雇止め

2013年4月施行の改正労働契約法で、同じ職場で通算5年を超えて働く有期雇用者は、雇用主に無期転換を申し込めるようになります。
こちらの改正については以前もブログで取り上げましたが、 (詳しくはこちら>>https://tam-jp.com/blog/2017/11/686/
2018年4月以降の無期転換の申し込みを危惧し、企業による雇止めが起きることが予想されます。
いわゆる『2018年問題』です。

 

国立大学法人の対応

今日のニュースでは、東北大の雇止めが取り上げられていました。
東北大が3000人規模の非正規職員を順次雇止めにするという件で、職員側が大学側を告発するというものです。

同じ国立大学法人である東京大学では逆に、5年雇止めの規定を削除する方針が示されています。

どちらも組合が組織されているため、大きな波ができたというところでしょうか。

 

大手自動車メーカーの対応

また、昨年末には厚生労働省が「いわゆる『期間従業員』の無期転換に関する調査」結果を発表しています。
この調査は、大手自動車メーカー10社に対する無期転換の実情についての聞き取り調査です。

結果は・・・
・更新上限を設けている→10社/10社
・再雇用まで6ヶ月以上の無契約期間が必要(つまり空白期間により前と後の契約期間が通算されず、無期転換できない)→7社/10社

クーリングと呼ばれる仕組みを使って、無期転換を避けていることがうかがえます。

 

労働問題においては、雇う側の負担と雇われる側の利益とのバランスをとることが非常に難しいと感じます。
人材不足と言われる今、両者のバランスをなんとかとることが課題となりそうです。

 

・厚生労働省 有期契約労働者の無期転換ポータルサイト
 http://muki.mhlw.go.jp/
・厚生労働省報道発表 「いわゆる『期間従業員』の無期転換に関する調査」の結果
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000189946.html

2017.12.22

平成30年4月1日施行 労災保険率の改定

 昨日、厚生労働省より労災保険率の改定等について発表がありました。
こちらの改定は平成30年4月1日施行予定です。

 

今回の改定の3つのポイント

①平成30年4月から適用される新たな労災保険率を設定

それぞれの業種の労災保険率については下記リンクをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11401000-Roudoukijunkyokuroudouhoshoubu-Rousaikanrika/0000188912.pdf

 

②家事支援業務に従事する方について、労災保険の特別加入制度の対象に追加

家事支援従事者・・・家政婦紹介所の紹介等により個人家庭に雇用され、家事、育児等の作業に従事する者。

家事支援従事者は労働基準法上の「労働者」にはあたらず、労災保険の強制加入対象ではありません。
介護支援従事者に関しては以前から労災保険の特別加入が認められていましたが、改定により、家事支援従事者も特別加入が認められることとなりました。

 

③時間外労働の上限規制等の円滑な移行のため、中小企業事業主に対して、助成金の内容を拡充

「職場意識改善助成金」の名称が「時間外労働等改善助成金」となり、内容が拡充します。
また、3社以上の中小企業の事業主団体において、傘下企業の時間外労働の上限規制への対応に向けた取組に要した費用を助成する「団体推進」のコースが新設されます。

詳しい要件や内容等は下記のリンクをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11401000-Roudoukijunkyokuroudouhoshoubu-Rousaikanrika/0000188915.pdf

 

時間外労働等改善助成金については今年度の3倍以上の予算額を要求するようです。
時間外労働に関するニュースなどもあり、働き方改革は喫緊の課題となっているかと思います。
労働者の方が健やかに働くことができ経営も上手く回るよう、今まで通りではなく次の手を考える必要がありそうです。

 

・厚生労働省 報道発表 「労災保険料算出に用いる労災保険率の改定等」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000188909.html

2017.12.13

余談 年末調整のあれこれ

12月も半ばになり、年末調整事務も本格化しています。
そこで、今回は年末調整に関する余談です。
何の役にも立たないかもしれませんが「へぇ~」と思っていただける話もあるかも・・・?

 

そもそも年末調整とは?

給与をもらっている方に関して、「月々(日々)源泉徴収されている税額」と「その年に納めなければならない年税額」を比べて、過不足を精算する手続き。
払いすぎていたら返してもらい、足りなかったら追加で払う、源泉徴収の総決算ともいえる作業です。

 

世界における年末調整

じゃあ源泉徴収制度のある国には年末調整があるのかというと、実はそうでもないんです。

主要国でいえば、ドイツには日本と同じような年末調整制度がありますが、イギリスでは「年末」調整ではなく、給与支払いのたびに過不足を精算します。
アメリカにおいては、給与から源泉徴収され、年末調整ではなく確定申告によって精算をします。
アメリカのように年末調整制度を持たない国は多くあります。

 

年末調整の起源

では、日本ではなぜ年末調整が行われるようになったのでしょうか。

まず、日本で所得税が導入されたのは明治20年(1887年)。
軍事費の増大に対応するために、イギリスの所得税制度を模範として導入しました。

そして、昭和15年(1940年)の改正では、戦費調達のために所得税の課税対象者を飛躍的に増やしました。
その結果大衆課税化した所得税を効率的に徴収するため、勤労所得に対する源泉徴収制度が導入されました。
その時に模範としたのはナチスドイツの制度です。

その後、昭和22年(1947年)におけるGHQ主導の税制改正で申告納税制度が採用されるにあたり、
「給与所得者が全員確定申告するとなれば、国民も国も大変!さてどうやって納税額の精算をしましょうか?」となり、
源泉徴収制度同様、ドイツで行われている年末調整を導入することとなりました。

 

お隣韓国の年末調整は進化している!?

日本では医療費控除や住宅ローン控除(初年分)は確定申告でのみ控除を受けられますが、
韓国ではほとんど全ての所得税計算が年末調整で完結します。

また、韓国では年末調整事務がネット上で完結する仕組みが導入されており、ペーパーレスなんです。
そもそも紙が無いため、「保険会社から送られてきたハガキはどこだ!」ということもなく、
保険会社など控除関係機関が国税庁のシステムに登録したデータをもとに控除申告書が自動作成されるため、「計算ミスしてる!」なんてこともありません。

 

日本の年末調整も電子化へ・・・

日本では2020年に年末調整手続きを電子化することを目指し、政府の議論が進んでいるようです。
2018年度税制改正大綱に盛り込む予定のようですので、要チェックですね。

現段階では年末調整の電子化においてマイナポータルを使用することは確定していませんが、
「控除関係のデータをマイナポータル上で受け取り、簡便に控除申告書を作成し、雇用者に提供できる仕組み」の検討もされているようです。

 

個人情報の問題など議論もありますが、安全で便利になることを願います。

2017.11.22

H29京都府特定(産業別)最低賃金の改正

 平成29年度 京都府特定(産業別)最低賃金の改正が公示されました。

下記の5業種について、平成29年12月21日(木)より改正が適用されます。 

特定(産業別)最低賃金の件名

改定前金額(時間額) 改定金額(時間額)
金属製品製造業 885円 902円
電気機械器具製造業 883円 900円
輸送用機械器具製造業 889円 907円
各種商品小売業 837円 860円
自動車(新車)小売業 835円 860円

 

変更のない業種は以下の通りです。

印刷業 856円
はん用・生産用・業務用機械器具製造業 856円
自動車小売業 856円

こちらの3業種については今年度の改正はありませんでしたが、
10月1日より京都府最低賃金856円の適用を受け、856円となっています。
(ただし、自動車小売業の日給制労働者については、日額5,926円の適用があります。)

 

最低賃金は、発効当日の賃金から、上記の最低賃金額以上の賃金を支払う必要があります。
また、支払い賃金と最低賃金を比較する場合、精皆勤手当、通勤手当、家族手当、時間外・休日・深夜手当、賞与等は除外します。

5業種の方について、平成29年12月21日(木)分以降の賃金にお気を付けください。

 

・京都府労働局 京都府最低賃金
http://kyoto-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/jirei_toukei/chingin_kanairoudou/toukei/saitei_chingin/jigyo201.html

2017.11.17

有期労働契約 5年を超えると無期労働契約に?

 「無期転換ルール」をご存知でしょうか。
例えば・・・
1年の契約で労働者を雇ったとして、「仕事にも慣れてくれて、勤務態度も良好!契約更新!」といった具合に契約を更新し続け、5年を超えると、労働者の申し込みにより無期労働契約に転換できるというルールです。
今日は「無期転換ルール」と「その特例」についてのお話です。

 

無期転換ルールとは・・・

有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。(労働契約法第18条 平成25年4月1日施行)

平成25年施行の法律をもうすぐ平成30年を迎える今になってなぜ取り上げるのかといいますと・・・
この通算5年のカウントは施行日である平成25年4月1日以降に開始した有期雇用契約が対象。
「平成25年4月1日に有期雇用契約を結んだよ」という方がそろそろ通算5年を超える頃なんです。
そんなこんなで、平成30年4月以降、無期労働契約への転換申し込みが本格化する見込み。

有期雇用契約が5年を超えるすべての方が対象なので、「パートだから」「アルバイトだから」「派遣だから」といって断ることはできません。

 

5年を超える前に雇止めすればいいんじゃないの?

実際にこのような雇止めが進んでいます。これについて厚生労働省は下記のように記述しています。

無期転換ルールを避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇止めをすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではありません。また、有期契約の満了前に使用者が更新年限や更新回数の上限などを一方的に設けたとしても、 雇止めをすることは許されない場合もありますので、慎重な対応が必要です。

「逃げ道はあるが、リスクもある」といったところでしょうか。

 

雇止め法理の法定化

先に述べた「リスク」の部分です。
労働契約法第19条によって、ある一定の場合に雇止めを無効とすることが定められています。

<対象>
①過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの
②労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて
合理的な理由があると認められるもの

<要件と効果>
上記の①②のいずれかに該当する場合に、使用者が雇止めをすることが、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、雇止めが認められません。従前と同一の労働条件で、有期労働契約が更新されます。 

要するに、
①過去に何度も更新されていて、無期労働契約と同一視できる
②労働者が更新を期待するのがもっともだと認められる
①②どちらかの場合で、その雇止めが客観的に合理的な理由がなく、普通に考えてダメでしょう!と思われるような場合は、
その雇止めは認められず、今までと同じ労働条件で有期労働契約を更新しないとダメ!というようなことです。

 

無期転換ルールの特例

このような無期転換ルールの特例を定めているのが平成26年法律第137号「有期雇用特別措置法」です。
ざっくり言うと「①高度専門職 ②継続雇用の高齢者 は認定を受ければ無期転換ルールが適用されません」という法律です。

<対象>
①「5年を超える一定に期間内に完了することが予定されている業務」に就く高度専門的知識等を有する有期雇用労働者
②定年後に有期契約で継続雇用される高齢者

<効果>
対象者について、下記の期間、無期転換申込権が発生しない。
①の高度専門職・・・一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く期間(上限10年)
②の継続雇用の高齢者・・・定年後引き続き雇用されている期間

(長くなってしまうので、詳しい認定の要件等は後述のHPでご参照いただきたいと思います。)

この申請が全国的に増加していて、申請から認定を受けるまでには時間がかかるそうなので、気になられた方はご相談・申請はお早めに!

 

この「無期転換ルール」が本当に労働者保護につながっているかどうかは賛否両論あるところですが、
従業員の方に不満や不安を抱かせずに経営していくにはどういった方法をとるべきか、考える機会になれば幸いです。

 

参考

・厚生労働省「労働契約法改正のポイント」
 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/h240829-01.pdf

・厚生労働省「有期雇用特別措置法パンフレット」
 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000075676.pdf

2017.11.13

労働条件(RJ)パトロール!

厚生労働省が提供している「労働条件(RJ)パトロール!」というスマートフォンアプリをご存知でしょうか。
初めてアルバイトをする方や就労経験の少ない方向けに作られた、
労働条件に関する法律の知識についてクイズ形式で学習できるアプリのようです。

 

また、厚生労働省は「確かめよう労働条件」というホームページも作成しています。
こちらは事業主・労務管理担当者向けの情報や、従業員向けの情報を発信していて、
労働関係法令や裁判例の紹介、相談先の案内なども行っています。

 

ブラック企業・ブラックバイト、長時間労働による自殺、様々なハラスメント・・・
このような単語が毎日のように耳に入る時代です。

管理する側もされる側も、正しい知識を身に着け、自分を守っていかないといけないのかもしれません。

 

労働条件(RJ)パトロール!
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000183889.html

確かめよう労働条件
http://www.check-roudou.mhlw.go.jp/

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