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会計・税務のナゼ?

2019.10.24

なかなか厳しい『必要経費』

巷では、芸人さんの設立した会社の申告漏れ・所得隠しがニュースを賑わせていますね。

3年間申告をしていなかったこと・個人的な旅行や被服費を経費として計上していたことなどが指摘されたようです。

 

ニュースを見た限りでは、この芸人さんの事例では「これは『必要経費』ではないな・・・」と思うのですが、

裁決事例を見てみると、『必要経費』になるようなならないような微妙なところがたくさんあることがわかります。

『必要経費』って意外と(意外でもない?)厳しいんです。

以下は実際に国税不服審判所で必要経費であるか否かが判断されたケースです。

 

不動産賃貸業を営むAさんが購入した書籍は必要経費?

個人でアパート経営をしているAさんは、経営のノウハウに関する本や住宅リフォームに関する本を購入し、

経費として計上していました。

ところがこの必要経費をめぐって税務署と争いになり、国税不服審判所に判断してもらうことに。

 

結果

不動産賃貸経営のノウハウに関する本・・・必要経費として認められない

住宅リフォームに関する本・・・必要経費

(国税不服審判所 裁決年月日:平成30年9月12日)

 

経営のノウハウに関する本は、事業に直接関係があるとは言えないとして、認められませんでした。

対してリフォームに関する本は「コンクリートのひび割れの補修方法」について記述があり、

Aさんは実際にひび割れの補修を行っていたため、必要経費として認められました。

つまり、業務になんらかの関係があるものでも、直接業務に関係しなければ必要経費として認められないということです。

 

微妙だな・・・と不安に思うことがあれば、顧問税理士に話されてみてはいかがでしょうか。

最初に述べた芸人さんの件も、ニュースで表面をなぞっただけなので詳しいところはわかりませんが、

お互いにもっとコミュニケーションが取れていたらなぁ・・・と思うばかりです。

2019.08.28

キャッシュレス決済 ポイント還元制度

 もうすぐ9月。

近頃は雨も続いているせいか涼しくなってきて「秋が近づいてきているなぁ」と感じます。

秋が近づいているとともに、10/1からの消費税増税もまた近づいてきています・・・

 

事業者の状況は?

当初「今回の増税も先送りにされるのでは?」という見方が強かったせいか、

消費税増税・軽減税率に向けての事業者の準備は『ゆっくり』だったように感じました。

皆さんはいかがでしょうか。

 

日本商工会議所が発表した調査結果では

『軽減税率制度に対応したレジの導入』に『未着手』と回答した企業は4割にも上るそう。

5月頃にヒアリングを行った結果ですので、現在はもっと減ってきているのではないかな?とは思いますが、

直前で大慌てで準備する方もいらっしゃるかもしれません。

残り1か月、現場が混乱しないように準備が必要ですね。

 

消費者の動向は?

消費者の駆け込み需要も今のところあまり大きくないようです。

キャッシュレス決済のポイント還元事業が実施されることが少なからず影響していると思います。

 

キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元事業)とは

消費税増税後の景気の冷え込みを抑えるために実施される事業で、

消費者が、登録店舗にて、登録されたキャッシュレス決済で支払いをすると、5%、一部店舗では2%の還元を受けることができる というもの。

期間は2019年10月から2020年6月までです。

注意していただきたいのが、ポイント還元の対象店舗になるためには事前手続きが必要!ということです。

事前手続きは下記の通りです。

■既にキャッシュレス決済手段を導入している場合⇒決済事業者※へ連絡

■新規にキャッシュレス決済手段を導入する、もしくは、乗り換える場合⇒契約したい決済事業者へ連絡

※決済事業者とは、三井住友カード等のカード会社や、JR等の交通系ICカードを提供している会社、PayPay等のQRコード決済の会社等です。

 

事業者が取り組むメリット

メリットというより、「なぜ取り組まなければならないか」という方が正しいかもしれません。

例えば食べログを見てどこへ食事に行こうか探すとき・・・

条件の似たようなお店が2店舗出てきて、片方だけに「キャッシュレスポイント還元対象」とあれば、そちらを選ぶのではないでしょうか。

経済産業省は、消費者向けPRのためにチラシやステッカーなどの広報キットの送付を始めています。

これにより店頭においても「どの店舗がポイント還元対象店舗なのか、また、どのキャッシュレス決済がポイント還元の対象か」ひと目でわかるようになります。

 

キャッシュレス決済を導入するとなれば、今までかからなかった手数料がかかります。

競合事業者の存在、お客様の年齢層や流動性など、条件によっては取り組むメリットのほとんどないところもあるかもしれません。

しかし、「キャッシュレス??決済は現金のみ!」のままでいられるのかどうか、今こそ真剣に考えておくべきではないでしょうか。

 

キャッシュレス・消費者還元事業について詳しく知りたい方は、下記HPをご覧ください。

・一般社団法人キャッシュレス推進協議会HP

https://cashless.go.jp/

2019.08.02

軽減税率Q&Aが改定されました

 令和元年10月の消費税増税と同時に日本で初めて導入される軽減税率

消費者視点から見ると「一律10%にされるよりは幾分マシかな・・・」とは思うのですが、

事業者視点から見ると「ややこしい!これは何パーセント?レシートはどうすれば?」なんて疑問・不安だらけです。

そんな事業者が判断に迷う事例のQ&A集が改定されました。

 

国税庁HP 消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)

http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/qa_03.htm

 

こちらは国税庁が発表している軽減税率に関する指針で、

事業者からの問い合わせ等をもとに5回の改定を重ね、問いの数はなんと224!

消費者視点から見ても、「これだと10%になっちゃうのか!」と勉強になる部分もあります。

 

私が気になったのはこの部分。

新聞の定期購読 紙媒体なら8% 電子媒体なら10%

「せっかく電子版の方が本体価格が安いのに・・・」とがっかりしました。

理由は

「新聞の譲渡」は軽減税率の対象(8%)になるが、

電子版の新聞は「電気通信利用役務の提供」に該当するため「新聞の譲渡」に該当しないから

ということのよう。

言わんとしていることはわかるのですが・・・

「目的が一緒なのに、手段(媒体)の違いで税率が変わってくるというのはなんだか腑に落ちないなぁ」

と個人的には思いました。

 

事業者視点で読めば気になる点に回答があったり、

消費者視点で読めば10月からの家計を考える機会になったり、

読みごたえがありますので(ボリュームの点でも)、読まれてみてはいかがでしょうか。

 

税務署の軽減税率制度説明会もまだまだ開催されるようですので、

気になる方は下記HPから日程をチェックしてください。

 

国税庁HP 消費税軽減税率制度説明会の開催予定一覧

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/06.htm

2017.12.20

仮想通貨の所得計算方法

 ビットコイン、イーサリアム、リップル等、仮想通貨の名前を日常でもよく耳にするようになりました。

仮想通貨は、日本円やドルなどのように国がその価値を保証している「法定通貨」ではありません。インターネット上でやりとりされる電子データです。
そのため、仮想通貨に物理的に触れることはできません。
しかし仮想通貨を売却・使用することにより生じる利益については、原則として雑所得に区分され、所得税の確定申告が必要となります。
(※事業に付随して生じた所得と考えられる場合は事業所得となります。)

 

先日、国税庁は確定申告の対象となる仮想通貨の損益や具体的な計算方法等を公表しました。
以下はそちらについてまとめたものです。

 

仮想通貨の売却

仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合

例)
3/9 2,000,000円(支払手数料含む)で4BTCを購入。
5/20 0.2BTC(支払手数料含む)を110,000で売却。

110,000円 -(2,000,000円÷4BTC)× 0.2BTC = 10,000円
売却価額 - 1BTCあたりの取得価額 × 支払BTC = 所得金額

10,000円が所得金額となります。

 

仮想通貨での商品の購入

商品を購入する際に、仮想通貨で決済した場合

例)
3/9 2,000,000円で4BTCを購入。
9/28 155,000円の商品を0.3BTCで購入。

155,000円 -(2,000,000円÷4BTC)× 0.3BTC = 5,000円
商品価額 - 1BTCあたりの取得価額 × 支払BTC = 所得金額

5,000円が所得金額となります。

 

仮想通貨と仮想通貨の交換

保有する仮想通貨で他の仮想通貨を購入した場合

例)
3/9 2,000,000円で4BTCを購入。
11/2 他の仮想通貨(決済時点の時価600,000円)の決済に1BTCを使用。

600,000円 -(2,000,000円 ÷ 4BTC)× 1BTC = 100,000円
購入価額 - 1BTCあたりの取得価額 × 支払BTC = 所得金額

100,000円が所得金額となります。

 

仮想通貨の取得価額

上記のように単純な例であれば計算は簡単です。
しかし、ビットコインの取引をしていらっしゃる方は1年の内に、買ったり、売ったり、商品を買ったり、他の仮想通貨と交換したり・・・様々な取引をされるのではないでしょうか。
そのような場合、仮想通貨の取得価額は下記のように移動平均法を用いて算定します。
(ただし、継続して適用することを要件に、総平均法を用いても差し支えありません。)

例)
3/9 2,000,000円で4BTCを購入。
5/20 0.2BTCを110,000円で売却。
9/28 155,000円の商品を0.3BTCで購入。
11/2 他の仮想通貨(決済時点の時価600,000円)の決済に1BTCを使用。
11/30 1,600,000円で2BTCを購入。

①移動平均法の場合

3/9に取得した1BTCあたりの取得価額 2,000,000円÷4BTC=500,000円/BTC

11/30の購入直前において保有しているビットコインの簿価 500,000円×(4BTC-1.5BTC)=1,250,000円

11/30の購入直後における1BTCあたりの取得価額 (1,250,000円+1,600,000円)÷(2.5BTC+2BTC)=633,334円(1円未満切り上げ)

②総平均法の場合

(2,000,000円+1,600,000円)÷(4BTC+2BTC)=600,000円/BTC

 

確定申告のために、とにかく記録!記録!記録!という感じですね・・・
複数のウォレットでビットコインを管理していたり、複数の取引所で取引していたりされる方は特に手間がかかりそうです。
取引履歴から税額を計算してくれるサービスも開発されているようですが、開発中のものであったり、いくつかの取引所に対応しているものであったり、
すべてを網羅するものは、まだ無いようです。

確定申告に備えて、情報収集しておく必要がありそうです。

 

・国税庁 タックスアンサー ビットコインの課税関係
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1524.htm

・国税庁 仮想通貨に関する所得の計算方法等について
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/171127/01.pdf

2017.12.15

社員の給与を上げて法人税を減らす?

 法人税の所得拡大促進税制をご存知でしょうか。
ざっくりおおまかにお伝えすると「社員の給与を上げたら法人税額を安くしますよ」という制度です。
制度自体は以前からあるのですが、昨日、平成30年度税制改正大綱で改組が発表されました。

大企業と中小企業では制度が違うため、今回は中小企業の所得拡大促進税制についてご説明させていただきます。

 

所得拡大促進税制とは・・・

<対象者>
青色申告書を提出する中小企業者等

<対象事業年度>
2018年(平成30年)4月1日~2021年(平成33年)3月31日までの間に開始する各事業年度

<要件>
国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額の比較平均給与等支給額に対する割合が1.5%以上である

<効果>
給与等支給増加額の15%の税額控除ができる
※ただし、控除税額は、当期の法人税額(所得税額)の20%を上限とする

 

計算例!

頭の良い方はすぐに理解されるのかもしれませんが、一読しても「?」が浮かびます。
要件のところは特に何をおっしゃっているのやら・・・

つまり、例を示して計算していくと・・・

ホニャララ商店の場合

・2019年(平成31年)1月1日から新事業年度。

・従業員 Aさん
ずっと昔から働いています。
2018年は月30万円受け取っていて、年額は360万円。
2019年は月1万円上がって、年額372万円です。

・従業員 Bさん
Aさんと同じくずっと働いています。
2018年は月20万円受け取っていて、年額は240万円。
2019年は月1万円上がって、年額252万円です。

・従業員 Cさん
2018年10月に働き始めました。
2018年の給与は30万円。
2019年の給与は120万円。

まず従業員をふるいにかけ、継続雇用者だけを計算に含めます。
継続雇用者とは当期及び前期の全期間の各月において給与等の支給がある国内雇用者で一定の者。
ホニャララ商店の場合は、Cさんは途中で働き始めたため計算には含めません。

平均給与支給額は今年度の ( 372万円 + 252万円 ) ÷ 2人 = 312万円

比較平均給与等支給額は前年度の ( 360万円 + 240万円 ) ÷ 2人 = 300万円

312万円 - 300万円 = 12万円

12万円 ÷ 300万円 = 0.04(4%)

「1.5%以上なので、ホニャララ商店は税額控除を受けられる!」ということになります。

 

15%の税額控除が25%に!?

さらに要件が厳しくなりますが、

①上記の割合が2.5%以上である
②教育訓練費の額が前年と比較して10%以上増加している
 もしくは
 経営力向上計画の認定を受け、計画に従って経営力向上が行われた証明をされた

この2つの要件をどちらも満たすと、給与等支給増加額の25%の税額控除ができます。
※ただし、控除税額は、当期の法人税額(所得税額)の20%を上限とする。

 

気を付けないといけないポイント

①設立事業年度は対象外!

以前の制度では、設立事業年度でも税額控除を受けられましたが、設立事業年度は対象外となってしまいました。

②今年度と前年度のまるまる2年、毎月給与をもらっている人が必要!

「継続雇用者」の範囲が見直され、まるまる2年毎月給与をもらっている人がいない場合は、要件を満たさず、適用されないこととなりました。

 

他にも、平成30年度税制改正大綱で多くの税制見直しや、新しい税制の創設が発表されています。
税金は時代を映す鏡のようなものだと思いますので、ご覧になってみてください。
ご相談もお待ちしております。

 

・平成30年度税制改正大綱 
https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/136400_1.pdf

2017.12.13

余談 年末調整のあれこれ

12月も半ばになり、年末調整事務も本格化しています。
そこで、今回は年末調整に関する余談です。
何の役にも立たないかもしれませんが「へぇ~」と思っていただける話もあるかも・・・?

 

そもそも年末調整とは?

給与をもらっている方に関して、「月々(日々)源泉徴収されている税額」と「その年に納めなければならない年税額」を比べて、過不足を精算する手続き。
払いすぎていたら返してもらい、足りなかったら追加で払う、源泉徴収の総決算ともいえる作業です。

 

世界における年末調整

じゃあ源泉徴収制度のある国には年末調整があるのかというと、実はそうでもないんです。

主要国でいえば、ドイツには日本と同じような年末調整制度がありますが、イギリスでは「年末」調整ではなく、給与支払いのたびに過不足を精算します。
アメリカにおいては、給与から源泉徴収され、年末調整ではなく確定申告によって精算をします。
アメリカのように年末調整制度を持たない国は多くあります。

 

年末調整の起源

では、日本ではなぜ年末調整が行われるようになったのでしょうか。

まず、日本で所得税が導入されたのは明治20年(1887年)。
軍事費の増大に対応するために、イギリスの所得税制度を模範として導入しました。

そして、昭和15年(1940年)の改正では、戦費調達のために所得税の課税対象者を飛躍的に増やしました。
その結果大衆課税化した所得税を効率的に徴収するため、勤労所得に対する源泉徴収制度が導入されました。
その時に模範としたのはナチスドイツの制度です。

その後、昭和22年(1947年)におけるGHQ主導の税制改正で申告納税制度が採用されるにあたり、
「給与所得者が全員確定申告するとなれば、国民も国も大変!さてどうやって納税額の精算をしましょうか?」となり、
源泉徴収制度同様、ドイツで行われている年末調整を導入することとなりました。

 

お隣韓国の年末調整は進化している!?

日本では医療費控除や住宅ローン控除(初年分)は確定申告でのみ控除を受けられますが、
韓国ではほとんど全ての所得税計算が年末調整で完結します。

また、韓国では年末調整事務がネット上で完結する仕組みが導入されており、ペーパーレスなんです。
そもそも紙が無いため、「保険会社から送られてきたハガキはどこだ!」ということもなく、
保険会社など控除関係機関が国税庁のシステムに登録したデータをもとに控除申告書が自動作成されるため、「計算ミスしてる!」なんてこともありません。

 

日本の年末調整も電子化へ・・・

日本では2020年に年末調整手続きを電子化することを目指し、政府の議論が進んでいるようです。
2018年度税制改正大綱に盛り込む予定のようですので、要チェックですね。

現段階では年末調整の電子化においてマイナポータルを使用することは確定していませんが、
「控除関係のデータをマイナポータル上で受け取り、簡便に控除申告書を作成し、雇用者に提供できる仕組み」の検討もされているようです。

 

個人情報の問題など議論もありますが、安全で便利になることを願います。

2017.12.11

消費税の軽減税率制度 ~どんなサポートがあるの?~

2019年10月1日に消費税が8%から10%に引き上げられることに伴い、軽減税率制度の実施が宣言されています。
今回は、実施される軽減税率制度の概要と、事業者へどのようなサポートがあるのかという話です。

 

軽減税率とは・・・

標準税率よりも低く設定された税率のことで、2019年の増税については下記のとおりです。
●標準税率→10%
●軽減税率→8%

 

軽減税率の対象品目は・・・

①酒類・外食を除く飲食料品
②定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞

新聞については説明不要かと思いますが、「酒類・外食を除く飲食料品」とは、具体的に説明すると、

食品表示法に規定する食品の中で、ややこしいところはこのあたりです。
10%>  (酒税法に規定する酒類)
<8%> テイクアウトの食品 (持ち帰りのために容器に入れ、または放送を施して行う飲食料品の譲渡)
10%> 外食 (飲食に用いられる設備のある場所で、顧客に飲食させるサービス)
10%> ケータリング・出張料理など (顧客が指定した場所で、顧客に飲食させるサービス)
<8%> 有料老人ホーム等で行う飲食料品の提供、学校給食等
10%> 一体商品 (おもちゃ付きのお菓子等。原則10%、例外あり)

つまり、飲食料品は大体8%ですが、酒・外食・ケータリング・一体商品は10%になる、というような感じです。

例えばコーヒーショップに行って、店内でコーヒーを飲むと10%、テイクアウトすると8%などとなり、なんだか変な感じがしますが、
そのあたりのややこしいことはまたの機会にしまして、ここからは「軽減税率の適用でどのような対応が必要か」という部分です。

 

軽減税率の適用によって事業者の皆様に必要となる対応は・・・

<商品管理に関する対応>
個々の商品の適用税率を把握、複数税率に対応したレジの導入やシステムの改修が必要になります。

<申告と納税に関する対応>
「軽減税率が適用される仕入・売上」と「標準税率が適用される仕入・売上」を区分して記帳、税額の計算を行わなければなりません。

 

事業者へのサポートはあるの?

二つのパターンのサポートがあります。

①複数税率対応レジの導入等支援

<対象者>
複数税率への対応が必要となる中小の小売事業者等(複数税率対応レジを持たない者に限る)

<補助率>
原則 3分の2
導入費用が3万円未満の機器を1台のみ購入する場合4分の3
タブレット等の汎用端末は2分の1(周辺機器とのセット購入のみ補助対象)

<補助上限>
レジ1台あたり20万円
新たに行なう商品マスタの設定や機器設置に経費を要する場合は、さらに1台あたり20万円が加算
複数台申請等については、1事業者あたり200万円を上限

②受発注システムの改修等支援

<対象者>
軽減税率制度の実施に伴い電子的に受発注を行うシステムの改修等を行う必要がある中小の小売事業者、卸売事業者等

<補助率>
3分の2

<補助上限>
小売事業者等の発注システムの場合1,000万円
卸売事業者等の受注システムの場合150万円
発注システム・受注システム両方の場合1,000万円

 

軽減税率制度の実施により混乱することが予想されますが、早めに設備投資について考えておき、タイミングを見計らう必要がありそうですね。

 

・政府広報オンライン(特集 消費税の軽減税率制度)
 https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/keigen_zeiritsu/index.html

・国税庁パンフレット(よくわかる消費税 軽減税率制度)
 https://www.nta.go.jp/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/04.pdf

・軽減税率対策補助金事務所
 http://kzt-hojo.jp/applicant/about/

2017.12.01

相続税対策 111万円の贈与

 平成27年1月1日の相続税制の大改正により、相続税の申告割合が従来の2倍に増加しています。
基礎控除額の引き下げが行われたために、改正前の制度においては相続税を払う必要がなかった方が、改正後においては相続税を払う必要がある方になってしまったというのが大きな原因でしょう。

改正前は被相続人(亡くなられた方)100人中4人の相続について、相続税が課税されているような状況が続いていました。
しかし、改正後は被相続人100人中8人の相続について、相続税が課税されています。

他人事と思っていたら税務調査が来て、相続税を払うことに・・・ということも起こりうる状況です。

 

相続税の節税のための最大のポイントは「生前にやるべきことをやっておく!」ということです。

亡くなられた後にできることというのは、
・土地の評価額をできるだけ小さくする
・特例にあてはまるものがあるかチェックする
・正しく申告し、加算税がかからないようにする
など・・・生前にできることに比べてかなり少なく、効果もそれほど大きくはありません。

少しでも不安に思われる方は、生きているうちに、それもできるだけ早くに始めておくのが最善の方法です。

 

そこでここからは、「年間の贈与税の非課税枠110万円を少し超えた111万円を贈与し、わざと少額の贈与税を支払うことで、贈与の証拠を確実に残す」という方法についてご説明します。
相続税のことで不安をお持ちの方でしたらご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、実はこれがなかなかのクセモノなんです。
ポイントを理解していないと、「これは結局のところ、贈与したものではなく相続財産ではないか」と疑われ、対策の努力虚しく、相続税を支払うことになるかもしれません。

 

<<贈与税の非課税枠110万円>>

贈与は年間110万円までなら課税されません。
しかも、110万円の基礎控除額は贈与を受ける人一人当たりの金額であるため、
子・孫合わせて5人に10年間贈与するとすると・・・
110万円×子・孫5人×10年=5,500万円
5,500万円の財産を贈与税・相続税を払わずに子や孫に移転することができます。

取り組むのが早ければ早いほど、その節税効果は高まります。

 

<<じゃあどうして110万円じゃなくて111万円?>>

これは、110万円の贈与を否定され、相続税を課税されることを防ぐためです。

例えば、毎年非課税の110万円ずつ10年間お子さんに贈与していこうと考え、お子さん名義の通帳を作成、そこへ毎年110万円ずつ入金。
その後お父さんが亡くなって相続が開始したときに、
「そういえば父親が生前贈与をしてくれている私名義の通帳があると言ってたな、これは贈与してもらったし、相続財産には含まれないな」と考え、相続財産として申告していないとします。

これでOKと思っていた矢先に言われることは「この通帳はお子さんの名義になっていますが、実質はお父さんの財産ですね。相続財産に含まれるので相続税が課税されますよ」です。
贈与を否定されると、せっかくの努力も水の泡になってしまいます。

そこで、111万円を贈与し、わざと少額の贈与税を申告して支払うことで贈与の証拠を残します。
贈与の証拠を残すことで、「これは贈与じゃなくて相続だ!」と言われるのを防ごうという目的です。

 

<<111万円贈与で気を付けなければならないポイントって?>>

なるほど、111万円ずつ贈与すればいいのか!と思ったところで注意点です。
111万円贈与はなかなかのクセモノですので、注意点がいくつかあります。上記の例も交えてご説明します。

①贈与税の申告は贈与を受ける側が記入して申告すること!

贈与が成立するカギは「あげた・もらったの契約があったか」です。
もしお父さんが111万を入金して、贈与税の申告書も作成して提出していると「もらったという意識があるか?きちんと贈与の契約ができているのか?」ということが疑われ、贈与が否定されることになりかねません。

②契約書を交わしておくと尚良し!

残せる証拠はすべて残しておく方が安心です。お正月やお盆休みなどいつでもいいので、1年に1度集まり、毎年契約書を作成しましょう。契約書にはきちんと自署し、契約書に押した印鑑は自分のものをそれぞれ保管することが大切です。

③通帳・銀行印は贈与を受けた側が保管し、自由に使える状態にしておく!

お父さんがお子さん名義の通帳・銀行印を保管してお子さんが自由に使えない状態だと、「実質的にはあげたことになってないんじゃない?」ということで、贈与が否定される可能性があります。

 

あれやこれやとややこしいのですが、残される方・次世代の方の今後を考えるととても大切なことだと思います。
こういったややこしい問題のある部分はご自身で調べることも一つの方法ですが、専門家である我々にご相談いただく事がのちのちの安心につながると思います。
疑問・不安があればお気軽にご相談ください。

 

・国税庁 平成27年改正
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sozoku/aramashi/pdf/02.pdf
・国税庁 平成27年分の相続税の申告状況
https://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2016/sozoku_shinkoku/index.htm
・国税庁タックスアンサー 贈与税がかかる場合
https://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4402_qa.htm

2017.11.08

メールで領収書を送付すると、印紙税がいらない?

領収書を渡す際、領収額が5万円以上だと印紙税が課税されます。
皆様も、郵便局等で収入印紙を購入し、領収書へ貼り付け・消印をして納付されていることと思います。
その印紙税が、メールでの領収書送付だと必要ないことをご存知でしょうか?
メールには収入印紙を貼り付けられないので当たり前といえば当たり前かもしれませんが、一応の理由付けがされています。

 

なぜ印紙税が課税されるのか

印紙税の根拠については、国会で答弁がなされています。

印紙税は、
経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び
文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化すること
に着目して広範な文書に軽度の負担を求めるもの
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/162/touh/t162009.htm

つまり、「お金の取引(利益)があったんですね?文書を作成して安全な取引ができたんですね?その利益に対して課税します。」ということです。

 

印紙税が課税される「金銭又は有価証券の受取書」

国税庁は、印紙税が課税される「金銭又は有価証券の受取書」について下記のように示しています。

受取書とはその受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書をいいます。したがって、「受取書」、「領収証」、「レシート」、「預り書」はもちろんのこと、受取事実を証明するために請求書や納品書などに「代済」、「相済」とか「了」などと記入したものや、お買上票などでその作成の目的が金銭又は有価証券の受取事実を証明するものであるときは、金銭又は有価証券の受取書に該当します。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/7105.htm

つまり、「文書の名前が『受取書』だろうがなんだろうが、内容が金銭・有価証券の受け取りを示しているなら、印紙税を課税しますよ。」ということです。

 

なぜ、メールで領収書を送付すると印紙税がいらないのか

これについて、国税庁の回答は下記のように示されています。

注文請書の調製行為を行ったとしても、注文請書の現物の交付がなされない以上、たとえ注文請書を電磁的記録に変換した媒体を電子メールで送信したとしても、ファクシミリ通信により送信したものと同様に、課税文書を作成したことにはならないから、印紙税の課税原因は発生しないものと考える。
http://www.nta.go.jp/fukuoka/shiraberu/bunshokaito/inshi_sonota/081024/01.htm

つまり、「紙を作っていないなら、課税"文書"を作ったことにはなりません。」ということで、印紙税は必要ないと結論付けているそうです。

ただし、電子メールで送信した後に本注文請書の現物を別途持参するなどの方法により相手方に交付した場合には、課税文書の作成に該当し、現物の注文請書に印紙税が課されることがありますので、注意が必要です。

 

印紙税が課税される根拠から考えて少し矛盾が残るような、腑に落ちるような落ちないような、そんな感じがしますが、このような理由でメールでの領収書送付には印紙税が必要ないことになっています。

収入印紙代が高額になっているという方は、少し考えてみてもいいかもしれませんね。

2017.10.25

なぜ満期保険金に所得税がかかるの?

先日、お客様から
「なぜ満期保険金に所得税がかかるの?」というご質問をいただきました。

質問の要旨は
・生命保険の保険料は収入から支払う
・その収入に対して所得税を既に納付している
・所得税を既に納付しているのに、
 満期になって受け取る満期保険金にも所得税がかかるのはなぜ?
 二重に所得税を取られている?
ということでした。

確かに「貯蓄をするような気持ちで保険料を払い込み、貯めたお金を受け取ったのに、また所得税を払うの?」
そんな気持ちになりますが、実は、二重に所得税を取られているわけではないのです。

満期保険金を一時金で受け取った際、下記のように課税所得を計算します。

受け取った保険金の総額-払い込んだ保険料
-50万(特別控除額)=一時所得
この一時所得の1/2に対して所得税が課税されます。

満期保険金から支払った保険料を引いた額は「利益」
です。
つまり、「利益」の部分だけに課税されるため、二重に所得税を支払っているわけではないのです。

詳しくは、国税庁のホームページにも記載がありますので、ご参考にしてみてください。

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