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2023年06月

2023.06.29

電子帳簿保存法・・・って結局何でしたっけ?

「電子帳簿保存法って、結局何ができてればいいんでしたっけ・・・?」

というご質問が、施行(2022年1月の大幅改正の施行)から1年以上経った今でもあります。

電子帳簿保存法の改正がなかなかくっきりはっきり覚えられず ぼやー っとしてしまうんですよね・・・。

(この『ぼやーっと現象』の理由も語りたいところですが、長くなるだけなのでやめておきます・・・。)

 

さて、ここからは「これだけはやっておきましょう」という内容をチェックリスト形式でお伝えしていきます。

以下で記述するやり方は「これしかない」という方法ではなく「これが一番現実的」というような基準で選んでいます。

※こちらの記事は中小企業の方向けに、比較的『低費用・小作業量』の方法で選んでいます。

 システムを自社開発される会社、電子帳簿保存法対応ソフトを使用される会社の方はあてはまらない部分が多いかと思います。

 

電子帳簿保存法の3つの区分

電子帳簿保存法では「こういう種類のデータはこうやって保存してね~」というようなことが定められていて、

どんなデータを保存するかによって対応が3つにわかれます。

①電子取引データを保存する場合   ←メールやインターネットでやり取りしたデータを保存する場合

②電子帳簿等を保存する場合     ←会計ソフト等PCを使って作った帳簿等のデータを保存する場合

③スキャンしたデータを保存する場合 ←紙書類をスキャンしてデータで保存する場合

この3つを頭の中で分けていないと、ややこしくなりやすいです・・・。

3つの中で、対応が義務となるのが ①電子取引データを保存する場合 です。

②③はデータで保存するかどうかは任意ですので、紙で保存する場合は対応不要です。

 

電子取引データを保存する場合 <<対応必須>>

メールやインターネットを通じて請求書、領収書、契約書、見積書などをやりとりした場合ですね。

『やりとり』なので『受け取った』だけではなく『送った』場合も保存が必要です。

こちらはデータで保存することが義務ですので、対応が必要です。

 

□チェック1 ディスプレイ・プリンタ等を備え付ける!

ちょっとこれは当たり前すぎるのですが、保存したものを確認できる状態にしておく必要があります。

 

□チェック2 データのファイル名に『⽇付・⾦額・取引先』を付し、検索できるようにする!

フォルダから必要なデータを検索できるよう、規則性をもったファイル名を付けておく必要があります。

例えば『20230629_110000_株式会社A社.pdf』など

『年月日_金額_取引先.pdf』という規則でファイル名を付すようにしておけば、検索の要件を満たすことができます。

 

□チェック3 改ざん防⽌のための事務処理規程を定めて守る!

データの改ざんができる状態で保存するのは問題アリです。

改ざん防止の事務処理規程を定めて、もし訂正する場合はどうするのかなどを定めておきましょう。

事務処理規程のサンプルはこちら(国税庁HP)にあります。

 

②電子帳簿等を保存する場合 <<任意>>

こちらは会計ソフト等で作成した帳簿や決算関係書類を保存する場合ですね。

紙での保存も認められていますので、対応は任意です。

 

とはいえ、「自分で紙で仕訳帳を作っています」なんて方はほぼいらっしゃらないと思います。

(中にはそんなマメな方もいらっしゃるかもしれませんが・・・。)

ほとんどの方が、税理士事務所に依頼していたり、freeeなど会計ソフトを使って作成しているのではないでしょうか。

そういったものをご使用であれば、ほとんど対応しているといっても過言ではないでしょう。

『使っている会計ソフト名 電子帳簿保存法』で検索すると

「電子帳簿保存法対応!」ですとか、でかでかと宣伝がしてあると思います。

昔買ったソフトをずーっと(バージョンアップなどの更新無く)使用していたりすると気を付けてもらった方がよいかもしれません。

 

③スキャンしたデータを保存する場合 <<任意>>

紙で『受け取った』書類や、紙で『送った』書類の写しなどを保存する場合です。

スキャンしたデータを保存する場合は、原本は廃棄してペーパーレス化できます。

ただ、そのためには

・タイムスタンプの付与

・クラウドサービスの使用

どちらかを行う必要がありますので、サービス使用料などの費用がかかります。

紙で保存するかデータで保存するかは任意ですので、今まで通り紙のまま保存しておくのもありだと思います。

 

ペーパーレス化を進めたいということであれば、

使用している会計ソフトが電子帳簿保存法スキャナ保存に対応しているか調べてみてください。

もともと機能としてついているソフトだと、追加費用はかからない可能性もあります。

 

まとめ

本当に本当にやらないといけないことに絞ると、実は数は少ないんです。

いろんな要件が書いてあって大変そうで手が付けられなかった方も、

「これくらいなら」と思ってご確認いただけるとうれしいです。

あとはご自身にあったスタイルで、都合のいいタイミングで、「これはやってみようかな」というものを追加していってください。

今後さらにペーパーレス化が推進されていくことが予想されますので、手を付けていったことは無駄にはなりません。

 

勝手な妄想なのですが、

税務調査の際に全経理データを吸い上げられ、

AIがデータを解析して処理誤りを指摘!さらに過去データの蓄積と照らし合わせて分析し、脱税の疑いを発見!

なんていう未来も遠くないのではないかな・・・と思います。

少し前まで「SF(サイエンスフィクション)」と呼ばれていたものが今では実在するような世界ですから・・・。

くいっぱぐれないように日々精進です。

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