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2017.12.20
仮想通貨の所得計算方法
ビットコイン、イーサリアム、リップル等、仮想通貨の名前を日常でもよく耳にするようになりました。
仮想通貨は、日本円やドルなどのように国がその価値を保証している「法定通貨」ではありません。インターネット上でやりとりされる電子データです。
そのため、仮想通貨に物理的に触れることはできません。
しかし仮想通貨を売却・使用することにより生じる利益については、原則として雑所得に区分され、所得税の確定申告が必要となります。
(※事業に付随して生じた所得と考えられる場合は事業所得となります。)
先日、国税庁は確定申告の対象となる仮想通貨の損益や具体的な計算方法等を公表しました。
以下はそちらについてまとめたものです。
仮想通貨の売却
仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合
例)
3/9 2,000,000円(支払手数料含む)で4BTCを購入。
5/20 0.2BTC(支払手数料含む)を110,000で売却。
110,000円 -(2,000,000円÷4BTC)× 0.2BTC = 10,000円
売却価額 - 1BTCあたりの取得価額 × 支払BTC = 所得金額
10,000円が所得金額となります。
仮想通貨での商品の購入
商品を購入する際に、仮想通貨で決済した場合
例)
3/9 2,000,000円で4BTCを購入。
9/28 155,000円の商品を0.3BTCで購入。
155,000円 -(2,000,000円÷4BTC)× 0.3BTC = 5,000円
商品価額 - 1BTCあたりの取得価額 × 支払BTC = 所得金額
5,000円が所得金額となります。
仮想通貨と仮想通貨の交換
保有する仮想通貨で他の仮想通貨を購入した場合
例)
3/9 2,000,000円で4BTCを購入。
11/2 他の仮想通貨(決済時点の時価600,000円)の決済に1BTCを使用。
600,000円 -(2,000,000円 ÷ 4BTC)× 1BTC = 100,000円
購入価額 - 1BTCあたりの取得価額 × 支払BTC = 所得金額
100,000円が所得金額となります。
仮想通貨の取得価額
上記のように単純な例であれば計算は簡単です。
しかし、ビットコインの取引をしていらっしゃる方は1年の内に、買ったり、売ったり、商品を買ったり、他の仮想通貨と交換したり・・・様々な取引をされるのではないでしょうか。
そのような場合、仮想通貨の取得価額は下記のように移動平均法を用いて算定します。
(ただし、継続して適用することを要件に、総平均法を用いても差し支えありません。)
例)
3/9 2,000,000円で4BTCを購入。
5/20 0.2BTCを110,000円で売却。
9/28 155,000円の商品を0.3BTCで購入。
11/2 他の仮想通貨(決済時点の時価600,000円)の決済に1BTCを使用。
11/30 1,600,000円で2BTCを購入。
①移動平均法の場合
3/9に取得した1BTCあたりの取得価額 2,000,000円÷4BTC=500,000円/BTC
11/30の購入直前において保有しているビットコインの簿価 500,000円×(4BTC-1.5BTC)=1,250,000円
11/30の購入直後における1BTCあたりの取得価額 (1,250,000円+1,600,000円)÷(2.5BTC+2BTC)=633,334円(1円未満切り上げ)
②総平均法の場合
(2,000,000円+1,600,000円)÷(4BTC+2BTC)=600,000円/BTC
確定申告のために、とにかく記録!記録!記録!という感じですね・・・
複数のウォレットでビットコインを管理していたり、複数の取引所で取引していたりされる方は特に手間がかかりそうです。
取引履歴から税額を計算してくれるサービスも開発されているようですが、開発中のものであったり、いくつかの取引所に対応しているものであったり、
すべてを網羅するものは、まだ無いようです。
確定申告に備えて、情報収集しておく必要がありそうです。
・国税庁 タックスアンサー ビットコインの課税関係
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1524.htm
・国税庁 仮想通貨に関する所得の計算方法等について
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/171127/01.pdf