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2019.10.24
なかなか厳しい『必要経費』
巷では、芸人さんの設立した会社の申告漏れ・所得隠しがニュースを賑わせていますね。
3年間申告をしていなかったこと・個人的な旅行や被服費を経費として計上していたことなどが指摘されたようです。
ニュースを見た限りでは、この芸人さんの事例では「これは『必要経費』ではないな・・・」と思うのですが、
裁決事例を見てみると、『必要経費』になるようなならないような微妙なところがたくさんあることがわかります。
『必要経費』って意外と(意外でもない?)厳しいんです。
以下は実際に国税不服審判所で必要経費であるか否かが判断されたケースです。
不動産賃貸業を営むAさんが購入した書籍は必要経費?
個人でアパート経営をしているAさんは、経営のノウハウに関する本や住宅リフォームに関する本を購入し、
経費として計上していました。
ところがこの必要経費をめぐって税務署と争いになり、国税不服審判所に判断してもらうことに。
結果
不動産賃貸経営のノウハウに関する本・・・必要経費として認められない
住宅リフォームに関する本・・・必要経費
(国税不服審判所 裁決年月日:平成30年9月12日)
経営のノウハウに関する本は、事業に直接関係があるとは言えないとして、認められませんでした。
対してリフォームに関する本は「コンクリートのひび割れの補修方法」について記述があり、
Aさんは実際にひび割れの補修を行っていたため、必要経費として認められました。
つまり、業務になんらかの関係があるものでも、直接業務に関係しなければ必要経費として認められないということです。
微妙だな・・・と不安に思うことがあれば、顧問税理士に話されてみてはいかがでしょうか。
最初に述べた芸人さんの件も、ニュースで表面をなぞっただけなので詳しいところはわかりませんが、
お互いにもっとコミュニケーションが取れていたらなぁ・・・と思うばかりです。