>>過去の記事一覧はこちら<<

ブログ

2017.12.13

余談 年末調整のあれこれ

12月も半ばになり、年末調整事務も本格化しています。
そこで、今回は年末調整に関する余談です。
何の役にも立たないかもしれませんが「へぇ~」と思っていただける話もあるかも・・・?

 

そもそも年末調整とは?

給与をもらっている方に関して、「月々(日々)源泉徴収されている税額」と「その年に納めなければならない年税額」を比べて、過不足を精算する手続き。
払いすぎていたら返してもらい、足りなかったら追加で払う、源泉徴収の総決算ともいえる作業です。

 

世界における年末調整

じゃあ源泉徴収制度のある国には年末調整があるのかというと、実はそうでもないんです。

主要国でいえば、ドイツには日本と同じような年末調整制度がありますが、イギリスでは「年末」調整ではなく、給与支払いのたびに過不足を精算します。
アメリカにおいては、給与から源泉徴収され、年末調整ではなく確定申告によって精算をします。
アメリカのように年末調整制度を持たない国は多くあります。

 

年末調整の起源

では、日本ではなぜ年末調整が行われるようになったのでしょうか。

まず、日本で所得税が導入されたのは明治20年(1887年)。
軍事費の増大に対応するために、イギリスの所得税制度を模範として導入しました。

そして、昭和15年(1940年)の改正では、戦費調達のために所得税の課税対象者を飛躍的に増やしました。
その結果大衆課税化した所得税を効率的に徴収するため、勤労所得に対する源泉徴収制度が導入されました。
その時に模範としたのはナチスドイツの制度です。

その後、昭和22年(1947年)におけるGHQ主導の税制改正で申告納税制度が採用されるにあたり、
「給与所得者が全員確定申告するとなれば、国民も国も大変!さてどうやって納税額の精算をしましょうか?」となり、
源泉徴収制度同様、ドイツで行われている年末調整を導入することとなりました。

 

お隣韓国の年末調整は進化している!?

日本では医療費控除や住宅ローン控除(初年分)は確定申告でのみ控除を受けられますが、
韓国ではほとんど全ての所得税計算が年末調整で完結します。

また、韓国では年末調整事務がネット上で完結する仕組みが導入されており、ペーパーレスなんです。
そもそも紙が無いため、「保険会社から送られてきたハガキはどこだ!」ということもなく、
保険会社など控除関係機関が国税庁のシステムに登録したデータをもとに控除申告書が自動作成されるため、「計算ミスしてる!」なんてこともありません。

 

日本の年末調整も電子化へ・・・

日本では2020年に年末調整手続きを電子化することを目指し、政府の議論が進んでいるようです。
2018年度税制改正大綱に盛り込む予定のようですので、要チェックですね。

現段階では年末調整の電子化においてマイナポータルを使用することは確定していませんが、
「控除関係のデータをマイナポータル上で受け取り、簡便に控除申告書を作成し、雇用者に提供できる仕組み」の検討もされているようです。

 

個人情報の問題など議論もありますが、安全で便利になることを願います。

2017.12.11

消費税の軽減税率制度 ~どんなサポートがあるの?~

2019年10月1日に消費税が8%から10%に引き上げられることに伴い、軽減税率制度の実施が宣言されています。
今回は、実施される軽減税率制度の概要と、事業者へどのようなサポートがあるのかという話です。

 

軽減税率とは・・・

標準税率よりも低く設定された税率のことで、2019年の増税については下記のとおりです。
●標準税率→10%
●軽減税率→8%

 

軽減税率の対象品目は・・・

①酒類・外食を除く飲食料品
②定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞

新聞については説明不要かと思いますが、「酒類・外食を除く飲食料品」とは、具体的に説明すると、

食品表示法に規定する食品の中で、ややこしいところはこのあたりです。
10%>  (酒税法に規定する酒類)
<8%> テイクアウトの食品 (持ち帰りのために容器に入れ、または放送を施して行う飲食料品の譲渡)
10%> 外食 (飲食に用いられる設備のある場所で、顧客に飲食させるサービス)
10%> ケータリング・出張料理など (顧客が指定した場所で、顧客に飲食させるサービス)
<8%> 有料老人ホーム等で行う飲食料品の提供、学校給食等
10%> 一体商品 (おもちゃ付きのお菓子等。原則10%、例外あり)

つまり、飲食料品は大体8%ですが、酒・外食・ケータリング・一体商品は10%になる、というような感じです。

例えばコーヒーショップに行って、店内でコーヒーを飲むと10%、テイクアウトすると8%などとなり、なんだか変な感じがしますが、
そのあたりのややこしいことはまたの機会にしまして、ここからは「軽減税率の適用でどのような対応が必要か」という部分です。

 

軽減税率の適用によって事業者の皆様に必要となる対応は・・・

<商品管理に関する対応>
個々の商品の適用税率を把握、複数税率に対応したレジの導入やシステムの改修が必要になります。

<申告と納税に関する対応>
「軽減税率が適用される仕入・売上」と「標準税率が適用される仕入・売上」を区分して記帳、税額の計算を行わなければなりません。

 

事業者へのサポートはあるの?

二つのパターンのサポートがあります。

①複数税率対応レジの導入等支援

<対象者>
複数税率への対応が必要となる中小の小売事業者等(複数税率対応レジを持たない者に限る)

<補助率>
原則 3分の2
導入費用が3万円未満の機器を1台のみ購入する場合4分の3
タブレット等の汎用端末は2分の1(周辺機器とのセット購入のみ補助対象)

<補助上限>
レジ1台あたり20万円
新たに行なう商品マスタの設定や機器設置に経費を要する場合は、さらに1台あたり20万円が加算
複数台申請等については、1事業者あたり200万円を上限

②受発注システムの改修等支援

<対象者>
軽減税率制度の実施に伴い電子的に受発注を行うシステムの改修等を行う必要がある中小の小売事業者、卸売事業者等

<補助率>
3分の2

<補助上限>
小売事業者等の発注システムの場合1,000万円
卸売事業者等の受注システムの場合150万円
発注システム・受注システム両方の場合1,000万円

 

軽減税率制度の実施により混乱することが予想されますが、早めに設備投資について考えておき、タイミングを見計らう必要がありそうですね。

 

・政府広報オンライン(特集 消費税の軽減税率制度)
 https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/keigen_zeiritsu/index.html

・国税庁パンフレット(よくわかる消費税 軽減税率制度)
 https://www.nta.go.jp/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/04.pdf

・軽減税率対策補助金事務所
 http://kzt-hojo.jp/applicant/about/

2017.12.04

平成29年12月 経営チェックポイント

固定資産税及び都市計画税の第3期分の納付期限

京都市は平成 29 年 12 月 28 日(木)、大阪市は平成 29 年 12 月 25 日(月)迄です。

 

年末調整 

給与所得の年末調整の月です。原則として、本年最後の給与もしくは賞与の支払をするときに計算します。

 

決算対策

12 月、1 月決算法人及び個人事業主の方は、賞与等決算対策の準備をして下さい。

 

賞与

賞与を支払った場合は「健康保険・厚生年金保険賞与支払届」の提出が必要です。支給日より 5 日以内に、年金事務所から送付された届出書を提出してください。

 

その他

今月の祝日は 23 日(土)天皇誕生日です。

税務署、区役所、年金事務所等役所の御用納めは 12 月 28 日(木)です。

当事務所は 12 月 30 日(土)~1月 3 日(水)迄お休みさせていただきます。

カレンダー

«4月»
  1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30